もう一度抱いて
地獄の3日間もようやく終わって。


やっと普通の生活に戻った。


京香が来ている間に、9月にライブに出ることが決まっていて、歌詞を急ピッチで仕上げなくてはいけなくなった。


だから俺は、永瀬を夜スタジオに誘った。


過去を振り返る作り方じゃ時間がかかるから、想像上の話で書くことにした。


永瀬は相変わらず頑張り屋で、すぐに歌詞は仕上がっていった。


二人でいる時間は静かで、心地良くて、どうやらいつの間にか眠ってしまったらしく、二人で朝を迎えてしまった。


目を開けると、ドラムセットの前で永瀬が眠っていて。


俺は彼女を起こそうと、ゆっくり近づいて行った。


俺の目の前で無防備に眠る永瀬。


寝顔がすごく可愛くて。


思わずそっと髪を撫でた。


その手は自然に、永瀬の頬を撫でていて。


その柔らかさに、この前拓真が永瀬にキスしたことを思い出してしまった。


そうしたら、たまらなくなって。



悪いと思いながらも。



そっとキスをしてしまった。

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