もう一度抱いて
もう、重症だと思った。


彼女が好きで好きで、どうしようもないと思った。


それくらいもう俺の中は、永瀬でいっぱいになっていた。


そんななか、ふたりで出かけた散歩。


ラベンダー畑の前で。


永瀬が信じられないことを口にしたんだ。


俺のことが好きだって…。


すごく、すごく嬉しかった。


今すぐ抱きしめて、俺も好きだと伝えたかった。


だけど、俺には彼女がいて。


だから、何も言えなくて。


胸が痛くて痛くて。


なんだかこのまま。


死んでしまいそうだった。

< 300 / 479 >

この作品をシェア

pagetop