もう一度抱いて
「俺、京香に別れようって言うよ。

アイツの力を、信じてみようと思う。

きっと、大丈夫だよな?」


「うん…」


そうだよね。


私も、京香の力を信じてみよう。


彼女が自分で立ち直る力を…。


「だから、さ…」


「え?」


「俺の彼女になってね」


ニコッと妖艶に笑われて、身体中にボッと火がついた気がした。


「あ、えと…」


「バンドも、ずっと一緒にやろう」


キョウセイの言葉に、急に世界が色を変える。


あぁ…。


どうしよう。


嬉しくて。


勝手に涙がどんどん溢れて。


ぽたぽたとシーツに染みていく。
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