もう一度抱いて
「いつも…、寝る時に手首につけて寝てんだよ…」


ボソッと恥ずかしそうに呟くキョウセイ。


うそ…。


そうだったんだ。


最近髪が短くなったし、もうてっきりどこかに片付けちゃったのかと思っていたけど。


いつも、部屋でつけてくれていたんだ…。


こんな2コで100円の赤いヘアゴムを、キョウセイはそんなに大事にしてくれていたの…?


なんだか胸が熱くなってくるな。


「ありがとう」


「え?」


「こんなに大事にしてくれて」


キョウセイの気持ちが嬉しい…。


私がそう言うとキョウセイは少し上目遣いをして、クスッと鼻で笑った。

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