もう一度抱いて
その日の夕方。
京香の仕事が終わるのを待ち、キョウセイは京香の会社の近くのカフェで待ち合わせをすると言っていた。
京香の部屋で別れ話をするより、人が大勢いる場所の方が冷静に話し合えるからだ。
私は自分のアパートで、キョウセイからの連絡を待っていた。
ドキドキしっぱなしで、ご飯も喉を通らず、スマホを握り締めて、ひたすらキョウセイからの連絡を待っていた。
こんな時、キョウセイが送ってくれた曲を聴いていると、なんとなく気持ちが落ち着いた。
どれくらい時間が経ったのか…。
ベッドに頭をもたれ、少しウトウトしていた時だった。
私のスマホの着信音が鳴った。
「も、もしもしっ」
慌てて通話ボタンを押し、電話に出た。
『永瀬?』
「うん。キョウセイ。
ど、どうだった…?」
ふと壁時計を見ると、時計の針は19時40分を指していた。
『それが…さ』
「え…?」
なに?その暗い声…。
まさか、承知してくれなかったの…?
どうしよう…。
そんなのいやだよっ。
『思ってたより、あっさり別れてくれたんだ』
「へっ?」
思わず変な声が出てしまった。
「別れて…くれた?」
『うん』
「相手が私だって聞いても…?」
『うん。
なんとなく俺の気持ちに気づいてたって言われたよ』
そう…なんだ。
京香、別れることを受け入れてくれたんだ……。
京香の仕事が終わるのを待ち、キョウセイは京香の会社の近くのカフェで待ち合わせをすると言っていた。
京香の部屋で別れ話をするより、人が大勢いる場所の方が冷静に話し合えるからだ。
私は自分のアパートで、キョウセイからの連絡を待っていた。
ドキドキしっぱなしで、ご飯も喉を通らず、スマホを握り締めて、ひたすらキョウセイからの連絡を待っていた。
こんな時、キョウセイが送ってくれた曲を聴いていると、なんとなく気持ちが落ち着いた。
どれくらい時間が経ったのか…。
ベッドに頭をもたれ、少しウトウトしていた時だった。
私のスマホの着信音が鳴った。
「も、もしもしっ」
慌てて通話ボタンを押し、電話に出た。
『永瀬?』
「うん。キョウセイ。
ど、どうだった…?」
ふと壁時計を見ると、時計の針は19時40分を指していた。
『それが…さ』
「え…?」
なに?その暗い声…。
まさか、承知してくれなかったの…?
どうしよう…。
そんなのいやだよっ。
『思ってたより、あっさり別れてくれたんだ』
「へっ?」
思わず変な声が出てしまった。
「別れて…くれた?」
『うん』
「相手が私だって聞いても…?」
『うん。
なんとなく俺の気持ちに気づいてたって言われたよ』
そう…なんだ。
京香、別れることを受け入れてくれたんだ……。