もう一度抱いて
「俺、昨日も見てん。会議室で。
キョウセイ、里桜ちゃんと手繋いどったやろ?」
いーっ。
「お前、どんだけ惚れとんねん!
見てるこっちが恥ずかしなるっちゅうねん」
思わずガクッと肩を落とした。
コイツにだけは、弱みを握られたくなかった…。
「まぁ、な。
やっと手に入ったんやからな。
気持ちはわかるで。
ちゃんと、大事にしたれや」
拓真がにっこり笑う。
「あぁ…。わかってる…」
言われなくても、大事にするっつうの!
「なぁ、大学祭の曲どれにする?」
ドラムセットに座った小山が問いかけた。
これで話が逸れるとちょっとホッとしつつ。
「あーその件なんだけど。
1曲だけどうしてもやりたい曲があるんだ」
「え、どの曲?」
小山がドラムを軽く叩きながら言った。
「まだみんなには聴かせてないけど、バラードだ」
「えっ、新曲?ちょっと聴かせてよ」
「いいよ」
俺はピックを手にして、その曲を演奏し始めた。
不眠気味の永瀬に贈った、
子守唄のようなバラードを。
キョウセイ、里桜ちゃんと手繋いどったやろ?」
いーっ。
「お前、どんだけ惚れとんねん!
見てるこっちが恥ずかしなるっちゅうねん」
思わずガクッと肩を落とした。
コイツにだけは、弱みを握られたくなかった…。
「まぁ、な。
やっと手に入ったんやからな。
気持ちはわかるで。
ちゃんと、大事にしたれや」
拓真がにっこり笑う。
「あぁ…。わかってる…」
言われなくても、大事にするっつうの!
「なぁ、大学祭の曲どれにする?」
ドラムセットに座った小山が問いかけた。
これで話が逸れるとちょっとホッとしつつ。
「あーその件なんだけど。
1曲だけどうしてもやりたい曲があるんだ」
「え、どの曲?」
小山がドラムを軽く叩きながら言った。
「まだみんなには聴かせてないけど、バラードだ」
「えっ、新曲?ちょっと聴かせてよ」
「いいよ」
俺はピックを手にして、その曲を演奏し始めた。
不眠気味の永瀬に贈った、
子守唄のようなバラードを。