もう一度抱いて
痛み
最悪な週末だった。


楽しみで仕方がなかっただけに、どん底に突き落とされたような気分だった。


アパートに戻ると、荷物を詰め込んだカバンを開ける気にはなれなかった。


ベッドに横になり、無意味に流れるテレビの音をただ聴いていた。


全然眠れなかったけど、キョウセイが贈ってくれたあの子守唄のようなバラードを聴きたいとは思えなかった。


聴けば、かえって苦しくなりそうだったから。


今が夜なのか、朝なのか昼なのか、そんなことさえハッキリしない土日を過ごして。


当たり前のように月曜日が来て。


重い身体を引き摺って大学へ向かった。

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