もう一度抱いて
いざ歌い始めると、私はここがどこなのか、今誰と一緒にいるかなどということは吹っ飛んでしまい、すっかり曲に陶酔してしまっていた。
久しぶりに歌ったけれど、完璧に覚えていて、少し楽しいな…なんて思ってしまう自分がいた。
とりあえず、ワンコーラスだけに留めて、私は曲を終了した。
やっと終わったとホッと胸を撫で下ろす。
だけど、なぜかスタジオ内はシンとしたままだ。
あまりに静か過ぎて、不気味にすら感じるほどに。
どうしていいかわからなくて、仕方なく鍵盤をじっと見つめていたら。
「すげ…。完璧じゃん」
「おいおい。レベルが違い過ぎるやろ」
小山君と相原君の声が聞こえた。
「ねー。だから言ったでしょ?
すごいって」
亜美が嬉しそうに笑う。
「里桜ちゃん、キーボードにほんま欲しい。
入ってくれへん?」
相原君がウィンクしながら、両手を合わせる。
その可愛い顔に戸惑っていたら。
「ダメだ」
腕を組んだまま壁にもたれて立っていた磯村君が、突然口を開いた。
久しぶりに歌ったけれど、完璧に覚えていて、少し楽しいな…なんて思ってしまう自分がいた。
とりあえず、ワンコーラスだけに留めて、私は曲を終了した。
やっと終わったとホッと胸を撫で下ろす。
だけど、なぜかスタジオ内はシンとしたままだ。
あまりに静か過ぎて、不気味にすら感じるほどに。
どうしていいかわからなくて、仕方なく鍵盤をじっと見つめていたら。
「すげ…。完璧じゃん」
「おいおい。レベルが違い過ぎるやろ」
小山君と相原君の声が聞こえた。
「ねー。だから言ったでしょ?
すごいって」
亜美が嬉しそうに笑う。
「里桜ちゃん、キーボードにほんま欲しい。
入ってくれへん?」
相原君がウィンクしながら、両手を合わせる。
その可愛い顔に戸惑っていたら。
「ダメだ」
腕を組んだまま壁にもたれて立っていた磯村君が、突然口を開いた。