もう一度抱いて
立ち上がった里桜ちゃんが、急に俺の視界から消えた。


突然のことに驚いて慌てて立ち上がると、床に倒れ込む里桜ちゃんの姿が見えた。


「里桜ちゃん!!」


俺はすぐに里桜ちゃんのところへ駆け寄った。


「だ、大丈夫か?」


動かしてええんかわからんくて、戸惑ってしまう。


少し息が荒いみたいや。


「里桜ちゃん…?」


俺が問いかけると、里桜ちゃんがゆっくり目を開けた。


俺と視線が絡み合う。


「大丈夫だよ」


そう言って、身体をゆっくり起こす里桜ちゃん。


「ちょっ、動いて平気なん?」


俺の心配をよそに、里桜ちゃんはさっきみたいに床に座った。


「いきなり立ち上がったから、ちょっとクラッとしちゃった。

ビックリさせてごめんね」


にっこり、何事もなかったように笑う里桜ちゃん。


何が大丈夫やねん。


全然大丈夫やないやろ?


俺はたまらんようになって。


里桜ちゃんの腕を引いて。


膝を立てたまま抱きしめた。
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