もう一度抱いて
里桜ちゃんの言葉に、ゾクッと背中に悪寒が走った。


「アホか!そないなこと絶対したらアカン!」


そんなアホなマネ…、したらアカン…。


震える腕でぎゅっと抱きしめたら、里桜ちゃんがフッと鼻で笑った。


「そんなこと…しないよ…。

そんな勇気ないもの…」


ボソッと呟くように言う里桜ちゃん。


「その冗談、ブラック過ぎるで…」


こんなこと言葉にするやなんて。


里桜ちゃんらしゅうない…。


「…ごめん。

ただ…、

うらやましかったの。

キョウセイのそばにいられる京香が…。


ねぇ。

私はどうして、

近くにいちゃいけないのかな?


私は見えない心より、



見えるキョウセイの近くにいたい…」

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