もう一度抱いて
「朝田さんが元気になったら、キョウセイは間違いなく里桜ちゃんのもとに戻るはずやで」


ほんまは、今すぐにでも戻りたいんやろけど…。


俺が里桜ちゃんの名前を口にするたび、彼女の頬がピクピクと動く。


「そんなことにはならないわ…」


ギロリ、俺を睨みつける朝田さん。


強がりなんか…?


いや、ちゃう。


確信あるんやな…。


それさえあれば、キョウセイを繋ぎ止められるって…。


「それって…、


いざとなれば、また騒ぎを起こせばええってこと?」


大きな目をさらに見開く朝田さんに、俺はまた顔を近付けた。


「アンタ、まだまだこれからも繰り返す気やろ…?」


多分、こういう人は何度でも…。


「な、何を…?」


動揺した声の朝田さん。


「また…、



手首…、



切るつもりやろ…?」
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