もう一度抱いて
彼女の決意
狭いキッチンで、2人分の夕食の準備をする。
今夜はカレーだ。
もともとそんなにレパートリーもないし、同じものばかり繰り返し作っているような気がする。
それでもアイツは毎日、幸せそうな顔をして俺が作ったご飯を食べる。
そうやって笑顔でいてくれるのは嬉しいけれど、一体いつまでこんな生活が続くのだろう…。
別れたいと言えば、彼女はまた同じことを繰り返すかもしれない。
拓真の言う通り、彼女を突き放すべきだと思うけれど、一体いつのタイミングでそれを言えばいいのかわからない。
もう俺は完全に、抜け出せないループにハマってしまったのかもしれない…。