もう一度抱いて
永瀬の無邪気な笑顔が見たい。


柔らかい頬に触れたい。


抱きしめて、沢山キスをしたい。


優しくて可愛い声を、すぐ横で聴いていたい。


この頃、それらを思い出せなくなってるんだ。


永瀬の感触が、俺の中から消えてしまいそうで怖いんだ。


京香の唇が俺に重なるたびに、気が遠くなる。


添い寝をする相手が、永瀬じゃないことが苦しい。


触れ合いたい相手は、違う場所にいて。


なんだか心と身体が、バラバラになっていく感覚だ。



永瀬…。



会いたい…。



どうしようもなく…。



会いたいんだ…。
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