もう一度抱いて
さほどない荷物をカバンに詰め込むと、俺は京香の部屋を後にした。


京香がいきなりあんなことを言い出すなんて、すごく驚いたけれど。


でも、彼女は本当にスッキリした顔をしていた。


一体、何があったのだろうか…。


何はともあれ、俺はやっと京香から解放された。


だけど…。


長い間、一度も連絡を取らずにいた永瀬。


今さら、俺を受け入れてくれるだろうか。



不安はよぎるけど…。



それでも…。



俺は走り出していた。





世界中で一番会いたい、





愛する人のもとへ…。
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