もう一度抱いて
なつかしいキョウセイの感触と、なつかしいタバコの香りに、私の涙腺は一気に崩壊してしまう。


「……バカ。バカッ。

キョウセイのバカ…ッ」


私はキョウセイの胸をグーで何度も叩いた。


「ごめん…。

ごめんな…。

本当に、ごめん…」


優しい声が私の耳のすぐそばで聴こえる。


「さみしかったよ…っ。

あ、いたかった…っ。

すごく、あいたかったんだから…っ」


しゃくりあげて声がまともに出ない私を、キョウセイはさらに力を込めて抱きしめる。


「もう、どこにも行かないから。


もう二度と、離さないから。


だから…。


俺と…。


また最初から…、


やり直してくれる…?」
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