もう一度抱いて
久しぶりに夢を見た。


パステルカラーの、とてもあたたかい、幸せな夢だった。


瞼を上げてゆっくり身体を起こすと、テーブルの上においしそうなオムライスとスープが置かれていた。


「あ、里桜、起きた?」


キョウセイがキッチンから、サラダとお茶の入ったペットボトルを運んで来る。


「キョウセイ…」


そうか。


夢じゃないんだ…。


昨日の夜、キョウセイが私の部屋に来てくれたんだ。


「おなか空いてる?

もうそろそろお昼の12時だし、昼飯食べよう」


「えぇっ?12時?」


うそー!


私ってば、そんなに眠ってたの…?


どんなアロマやハーブより、私はキョウセイがそばにいることが、一番眠れるのかな…?


思えば、初めて出会った日もそうだった…。


朝までぐっすり眠るなんて、私にはすごく珍しいことだった。
< 441 / 479 >

この作品をシェア

pagetop