もう一度抱いて
「里桜すごい熟睡してたから、そっとしておいたんだ。

あっ俺、勝手にシャワー使わせてもらったけど、よかったかな?」


「あ、うん。もちろん…」


なんだか、嬉しい。


私の部屋にキョウセイがいるなんて…。


「私、顔洗って来るね」


ベッドから起き上がり、お風呂場で顔を洗うと、パジャマのままテーブルの前に座った。


「じゃあ、食べようか」


「うん」


二人でいただきますと言って、早速オムライスを口にした。


「わ、おいしい。キョウセイ、料理上手だね」


「マジ?ありがと。レパートリーは少ないんだけどな」


薄い玉子でチキンライスが綺麗に巻いてある。


私には出来ないワザだな…。


「あ、そう言えば。よくわかったね、私の部屋」


来たことないし、住所も教えていなかったよね?


「あー…、亜美ちゃんに電話して聞いたんだ…」


あー、なるほど。


そういうことか…。


「だから、亜美ちゃんは事情を知ってる…」


そう言われて、なんだか恥ずかしくなる。


だから、今日は亜美から電話がないんだ…。


いつも休みの日は心配して、かけてくれるから…。
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