もう一度抱いて
準備が整うと、私はキョウセイと一緒に大学に向かった。


大学に到着すると、最終日ということもあって人も多く、かなりの盛り上がりを見せていた。


私とキョウセイは、手を繋いで広いキャンパス内を歩いた。


こんなふうにキョウセイと、大学を歩ける日が来るなんて…。


私は胸がいっぱいだった。


ふと顔を見上げれば、キョウセイがにっこり笑ってくれる。


外は冷たい風が吹いて寒いけど、私の心はほんわかあたたかかった。


私達は時折、何かを食べたりしながら、のんびりと色んな催しを見て回った。


そして、ついに軽音部が演奏している会場へと到着した。


「おー、やってるな。あれは2年のヤツらだよ」


「結構ハードロックだねー」


ボーカルの人、声張り上げてて喉潰れそう…。


「とりあえず、座ろうか」


「あ、うん」


私達は後ろの方の席に、横並びに座った。
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