もう一度抱いて
しばらくすると、小山君と相原君達の演奏が終わり、他のバンドの演奏が始まった。


その演奏を聴いていると、後ろから誰かにポンと肩を叩かれた。


振り返るとそこには、小山君と相原君の姿があった。


「里桜ちゃん、キョウセイ。

観に来てたんだな」


にっこり笑う小山君。


「うん。
演奏、すごく良かったよ」


「ステージから、二人の姿が見えてん。
亜美ちゃんから聞いたで。
朝田さん、別れてくれたんやろ?」


相原君の言葉に、コクンと頷くキョウセイ。


「もう絶対、里桜ちゃん離したらアカンで」


真剣な瞳で、キョウセイを見つめる相原君。


「あぁ…」


キョウセイも真剣な瞳で答えた。


「ねぇ、キョウセイ。

里桜ちゃんも…。


軽音部のプログラムの最後。


一緒に、出演しないか…?」


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