もう一度抱いて
相原君に言われ、私は亜美と共に円陣を組んだ。


私の右隣には、キョウセイがいる。


私の肩にキョウセイの腕、キョウセイの背中に私の腕が置かれ、なんだかドキドキしてしまう。


「2TR、今夜も楽しんで行くぞーーー!」


「おーーーっ!」


私達はパンパンと拍手をしながら、控え室を後にした。


舞台袖に到着すると、私達のプログラムの前のバンドが最後の曲を歌っていた。


それを見ていたら、私は急にひどく緊張して来てしまった。


「里桜ちゃん、リラックスして。楽しめばいいんだから」


小山君が心配して、声をかけてくれる。


「里桜ちゃん、俺らがおんねんから、安心しいや」


そう言って相原君に背中をパチーンと思いっきり叩かれた。


「いったーっ」


ほ、本気で痛い。


でもあまりの痛さに、緊張がほぐれたかも?


「永瀬…」


囁くような優しい声に振り返る。


「キョウセイ…」


私の隣にスッと立つキョウセイ。


肩が触れそうで、心臓がトクンと音を立てた。


「大丈夫だ。永瀬なら出来る…」


力強い瞳で言ってくれる彼に、私はうんと頷いた。


「2TRさん、お願いします」


スタッフさんの合図で、私達は舞台へと飛び出した。


「頑張って」と言う、亜美の声を背に受けながら…。

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