もう一度抱いて
大変だった前期末試験も無事終わり、私と亜美はキャンパス内のベンチに腰掛けて、冷たい飲み物を飲んでいた。


「やっと終わったねー」


「ホント。これでやっと夏休みだわ」


「亜美、今年はバイトどうする?」


私と亜美は、夏休みなどの長期休暇の時は、決まって一緒にアルバイトをしている。


「それがね、今年はいい話があるのよ。
小山君の親戚がね、長野県でペンションを経営してるんですって。
そこで一緒にバイトしないかって声かけてくれてるの。
里桜、一緒にどう?」


「えっ?私もいいの?」


「里桜も誘ってって言われてるのよ。
ちなみに、相原君や磯村君も一緒よ。彼らは去年もバイトしたらしいわよ」


「え…?」


キョウセイも来るの…?


「長期のバイトにはなるけど、みんながいれば楽しく続けられそうじゃない?」


「そう…だね」


キョウセイと一緒のバイト…。


私はなぜか胸がドキドキしていた。


そんなこんなで。


私達は小山君の親戚が経営しているペンションで、アルバイトをすることが決まったのだった。
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