もう一度抱いて
8月1日に大学が夏期休業になると、私達はすぐに長野へと移動した。


行きの新幹線の中で相原君が「俺らにとっては、夢のような勤務環境やねん」と言っていた。


どういう意味?と聞いたけど、着いてからのお楽しみと言われてしまった。


新幹線、特急、バスを乗り継ぎ、私達はついに小山君の親戚のペンションへと到着した。


「わぁ…すごい」


木々の緑に覆われた山々はとても雄大で美しく、私はすっかり目を奪われてしまった。


「いつ来てもええ景色やなあ」


相原君がうっとりと景色を眺めている。


「さ、中に入るよ」


小山君の合図で、私達はペンションへと足を運んだ。


ペンションの外観は、まるでヨーロッパの山荘のようにお洒落で可愛らしく、内装は木目調でとても落ち着いた雰囲気だ。
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