もう一度抱いて
「いらっしゃーい。
遠いのに、よく来たねぇ」


玄関に顔を出す男性。


「おじさん、連れて来たよ」


この人が小山君のおじさんなんだ。


50代くらいだろうか?


チェックのシャツがとても良く似合っている。


「さぁ、あがってあがって」


私達は靴を脱いで、室内へと入った。


「わぁ…」


通されたのは、眩しい太陽の光が差し込む吹き抜けの広い部屋。


テーブル席もあるし、ゆったりしたソファもあるし、どうやらここは宿泊客が食事をしたり、寛いだりするスペースのようだ。


「いらっしゃーい。
お茶が入ってるわよー」


キッチンから、少しぽっちゃりした女性が出て来た。


「おばちゃん、久しぶり」


「涼ちゃんもお友達も、こっちに座って。
疲れたでしょう?
まずはちょっと休んでちょうだい」


この女性が、小山君のおばさんなんだ。


二人とも小山君同様に、穏やかで優しそうな人だなと思った。

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