もう一度抱いて
私達は冷たいお茶をいただきながら、仕事の説明を受けた。


主には宿泊客の食事の準備、清掃、ベッドメイキングをして欲しいとのことだった。


相原君が言っていた夢のような勤務環境というのは。


このペンションのすぐ横に、音楽スタジオがあるからだということがわかった。


音楽が大好きなおじさんが、音楽をやっている人達のために作ったスタジオで、宿泊客は安く利用することが出来るらしい。


そのスタジオを、アルバイトの私達は予約さえ入っていなければ、休憩時間に自由に使えるというわけなのだ。


小山君が私や亜美をアルバイトに誘ってくれたのは、これが単にアルバイトだけでなく、バンドの強化合宿を兼ねているのだと、後で教えてくれた。


とりあえずその日の仕事は、夕飯の準備と片付けだけで終了した。
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