もう一度抱いて
「はー。ちょっと疲れたねー」


「ホント。足が棒みたいになっちゃった」


お風呂を済ませ、私と亜美は自分達の部屋のベッドに腰を下ろした。


「でも空気はおいしいし、最高に良い環境だよね」


亜美がニッコリ笑う。


「小山君のおじさんとおばさん良い人だし、働きやすいよね」


小山君は小さい頃からここによく遊びに来ていて、それでドラムを覚えたと言っていた。


「ねぇ、里桜。ちょっと思ったんだけどさ。
京香って、磯村君がペンションでバイトすること、許したのかしら?」


「え…?」


「ライブが終わるまで会わないって言ってたんでしょう?

その後は試験で忙しかったわけだし。

その試験がやっと終わったかと思ったら、今度は長野でアルバイトだなんて。

京香が許したのかなあって」


うーむ…。確かに。


あの京香をキョウセイはどうやって説得したのだろう?


想像すると、ちょっと怖いな…。
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