もう一度抱いて
「ねぇ、里桜。
せっかくこれから長期間、里桜と寝食を共にするから、色々と教えて欲しいことがあるのよ」


「えっ、いきなり何?」


亜美が変なことを言うから、ドキッと心臓が脈打った。


「前から疑問に思っていたのよ」


「何を…?」


亜美が真っ直ぐに私を見つめている。


大きな、キリッとした目で。


「京香のことよ」


「えっ、京香?」


どういう…意味?


「私ね、前から疑問だったの。

京香にあんなひどいことされたのに、どうして里桜は京香を許して、今でも友達でいるのかなって…。

実際あの子に会うと、里桜すごくつらそうなのに。

ねぇ、どうしてなの?

苦しいなら、もう友達やめればいいじゃない」


「亜美…」


「何か理由があるの?

そうでなきゃ、里桜ってただのお人好しのバカだよ?」


うっ。ちょっと今のグサッと来た。


「理由があるんでしょう?

話してくれない…?

気になって仕方がないのよ」


「亜美……」


そうだね…。


もう話してもいいかもしれない。


私はふぅと長く息を吐いて、コクリ頷いた。
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