背中越しの春だった
あの表情は何だったんだろう……。
私はその日午前中ずっと、そのことばかり考えてしまっていた。
誰だって不機嫌になったり、無表情になったりすることはある。
だけど、あの顔はそうゆう単純なものとはちょっと違った気がする。
私はそうゆうものに対して、わりと敏感だと思う。
だからこそ、あの一瞬を捉えたことが、偶然でなかったような気がしてならない。
昼休み、すっきりしない気持ちで、ジュースでも買いに行こうと、
中庭の自販機に向かって渡り廊下を歩いていたら、
グラウンド脇の水飲み場のところでふざけあっている藤たちを見かけた。
水をかけあって遊ぶ藤の無邪気な横顔に、暗い影はまるでない。
「顔ッ射!!」
「サイテーだな、おまえらっ」
「やめてぇー、牛乳はリアルだ!」
紙パックの牛乳で、ストローから牛乳を噴射して顔にかけ合って遊ぶのはどうかと思うけど……。
とりあえず、ホッとした。
私はその日午前中ずっと、そのことばかり考えてしまっていた。
誰だって不機嫌になったり、無表情になったりすることはある。
だけど、あの顔はそうゆう単純なものとはちょっと違った気がする。
私はそうゆうものに対して、わりと敏感だと思う。
だからこそ、あの一瞬を捉えたことが、偶然でなかったような気がしてならない。
昼休み、すっきりしない気持ちで、ジュースでも買いに行こうと、
中庭の自販機に向かって渡り廊下を歩いていたら、
グラウンド脇の水飲み場のところでふざけあっている藤たちを見かけた。
水をかけあって遊ぶ藤の無邪気な横顔に、暗い影はまるでない。
「顔ッ射!!」
「サイテーだな、おまえらっ」
「やめてぇー、牛乳はリアルだ!」
紙パックの牛乳で、ストローから牛乳を噴射して顔にかけ合って遊ぶのはどうかと思うけど……。
とりあえず、ホッとした。