背中越しの春だった
するとディズニーランド行きを提案した女子……クラスでもトップクラスの可愛さと化粧のテクニックを誇る石本薫ちゃんが、

思い切りイヤそうな顔で口をはさんだ。


「えー……でも、クラス全員とかタルくない?」

「そうだよ、絶対グダるって」


藤とできるだけ少人数で遊びたい女子たちが一斉に反対して、

思わず私はその場から逃げだしたくなったんだけど、藤はあっさりと受け流した。


「人数多いほうが単価下がるじゃん」


それ以上は、石本さんたちも反対しなかった。

それでも、あからさまに不満そうな顔をしていたけど。


藤は満足そうに笑って、私の肩をポンと叩いた。


「それじゃよろしく、委員長!」


得意の無邪気な笑顔でにっこり笑いかけられて、結局私はうなずくしかなかった。
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