【短編】こちら、なんでも屋でございます。



「え?それは本当ですか?」
「噂ですよ、今警察が必死で調べている事件、あれ嘘って可能性があるんだって」
「それはどういう?」
「だから、あの女共の勘違いだったのよ」
「勘違い?」
「そうそう、最初から誰もアイツ等を襲ってなんかいないしましてやアイツ等の部屋は鍵がかかってたそうよ」
「そうなんですか…」
「しかも、何よ縛られてたくらいでさぁもしかしたら自分たちでSMでもやってたんじゃないかしら?ね?」
「は、はい…。ご協力ありがとうございました」
「貴方も宿泊客?」
「はい」
「フードは外した方がいいわよ。もしかすると疑われてるかも、ね♪」
「!?」

女はレインのパーカーのフードに手を掛けて慣れた手つきでそれを外す。


「ね?」
「はい」

女の不気味な笑みに思わず魅入られてしまったレインは急いでその笑顔から目をそむけ他の部屋に向かうことにした。



「へぇ~……あんな大物が、ねぇ」



女は舌舐めずりをしレインを見つめた。




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