【短編】こちら、なんでも屋でございます。



「旅館内を調べた結果…この旅館に宿泊しているお客の中の男性客は全員既婚者だ。つまり、浮気性でもない限り襲いはしない」
「んー、ますます謎が深まってきたぁ」
「もしかすると、同性愛者って可能性も…」
「綺羅、手が震えてる」
「だ、だ、だだだって……同性愛者ってあれでしょ?お、お、お、同じモノ同士が…あーなってこーなって……っ。だぁあああああああ!!」
「兄さんは元々女好きだから同性愛者なんて考えられないだろうね」
「ま、その通りだな。女好きで変態で変人。コイツに似合いすぎだ」
「沙羅」
「何?セシル」
「一つだけ気になる点が」
「?」
「今回の被害者は全員、処女です」
「はぁっ?」
「せ、セシルさん。一体どうやってそんなことまで…っ」
「肉体に入り込めば相手がどれだけの奴等と交わしてきたかぐらい分かります」
「そ、そ、それよりそれはどういう意味なのかな?」
「これは明らかに仕組まれた犯行です」


皆一気に顔を見合わせた。


「今回のキーワードは、強姦。処女。女四人。既婚者。です」
「……」
「つまりこれは、間違えなく同性の仕業です」
「何を根拠に…」
「考えてみてください」
「?」
「もし男が襲うならわざわざ大人数つまりは団体客を襲いますか?私ならレインさんみたいに女が一人無防備な時を襲います。」
「それってつまりは、あの四人グループを狙う動機があるってこと!?」
「勘がするどいですね、綺羅さん」
「ありがとー♪」
「では話は戻ります。今回の事件の犯人はズバリ…あの四人を逆恨みしている人物の可能性が大です」



< 40 / 46 >

この作品をシェア

pagetop