ぼくらのうた



「言うなって言ってんでしょーッ!!」

「あー…!イジられ百合子?!」

「神宮寺百合子ーッ!!」







 神宮寺百合子

 同じ小学校で、その性格からいっつもみんなにイジられてた。

 通称イジられ百合子。

 でも足だけは速かった。

 ……ような気もする。







「まぁ、その自慢の足もあたしの次だったけど」

「ヤなこと思い出してんじゃないわよッ!」

「いーじゃん思い出したんだから」


 百合子と喋ってる内にもう最終レースで、位置につく。

 懐かしいー。

 そういえばどっか遠いとこに引っ越したんだっけ。


「あの時の屈辱…忘れたことはなかった…」

「は?何?」

「位置についてー、よーい」


 ―パンッ

 スタートダッシュは完璧ッ!

 …な、はずだった。



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