ぼくらのうた



 会いたくないし。


「は〜もう…ゆーうつだなぁ…」

「梅雨だしね〜…」


…そうゆう意味じゃないんだけど。

 ま、いっか。

 マナとしゃべりながら教室の扉を開く。


「はよ」


 そう言ったのはチカじゃなくて…


「小ザル!?」

「小ザルゆーな!!」


 この間の小ザルだった。


「ちょっとツラ貸せや」

「は?ヅラ??
 生憎あたしヅラじゃないんで」

「ちげーよツラだよツラ!!
 顔貸せっつってんだよ!!」

「顔貸すとか物理的に無理なんですけど〜」

「だ〜も〜ッッ!!
 とにかく来い!!」


 手首を小ザルに掴まれる。

 っ…こんなの解いて…

 って、あれ??ウソ、とれない…!!

 こいつどこにこんな力隠してんのよ…ッ!!

 そしてあたしはどこかに引きずられていく…


「ここだ」


 連れて行かれた先は、1つの部屋。

 その扉が開かれる。


「ようこそ、『羽ばたく翼』…もとい、『The wing』へ」





< 15 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop