ぼくらのうた
やっと春樹の足が止まる。
よかった…歩幅違うから、キツかったんだよね。
いつもは合わせてくれてたんだね…。
「ねぇ…どうしたの?春…っ!」
え…!?
気が付いたら、あたしは…春樹の腕の中にいた。
「はる…き…?」
「…心配なんだよ、」
「えっ?」
少しずつ、顔が赤くなっていく。
だって、あたし…
春樹に抱きしめられて、る…?
「どこにも、行くなよ…ッ!」
ねぇ…おかしいかな?
こんなに春樹の声は弱くて、つらそうなのに…
どんな春樹でも、愛しいと思ってしまうの。
「春樹…」
月に照らされた春樹の顔が近づいてくる。
…キスされる?!
そう思ったのはあたしだけで…
春樹の顎があたしの頭にのせられる。
「何かあんなら…言ってくれよ」