ぼくらのうた
「…ごめん」
「――ッ」
腕が、離れていく。
ああ、あたし…フラれるんだ。
いや…もう、フラれたんだ。
「藍架はバンドのメンバーで…それ以上は」
「もういいって!
あはは、ごめん!
あたし調子のってたね!」
「っ、藍架…?」
それ以上言わないで。
わかってる…わかったから!
あなたの前で、もう泣きたくないからっ
「あたしみたいな奴が春樹たちと仲良くできるだけで、すごいことなんだよね!」
「藍架、ごめ…」
「ほんと、もういいって!
でも良かったらこれからも友だちとして仲良くしてくれると嬉しいな!
って、それは春樹が決めることなんだけどさ!」
笑え、喋ろ…黙っちゃいけない。
黙ったら…涙が零れてしまう。
最後まで笑顔でいたいから。
もう少し、だから…っ。