ぼくらのうた



 開いてないかと思ってたのに!

 ラッキー!

 るんるん気分で中に入っていく。

 開いてて嬉しいなぁ〜ここならバレないし!

 屋上には2つベンチがあって、右のベンチがあたしのお気に入り。


「…あ、れ…?」


 あたしのお気に入りのベンチで寝てるヤツがいる!!

 どこのどいつよも〜!!

 寝っ転がってるそのオレンジっぽい髪したヤツに近付く。

 回り込んで顔を見ると、そいつは…


「…ぇ……」


 その寝顔は あの人 そっくりで

 思わず涙が溢れた。


「何、泣いてんの」

「ッ!」


 寝てると思ったその人は実は起きてて、片目だけ開けてあたしを見た。

 …どーしよ…。


「名前は?」

「…瀬戸、藍架…」

「ふ〜ん…」


 ふ〜ん…って…自分で聞いてきたくせに。


「あなたは…?」

「浦川春樹。よろしくな」


 その笑顔を見て、心臓が高鳴った。

 ―ドクン…ッ!


「―ょ、よろしく…」


 ―ドクンッドクンッドクンッ

 高鳴り続ける鼓動。

 やばい…やばい…やばい…ッ!!



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