ぼくらのうた
悲しそうな目には立派に育った芳斗が映ってる。
「気にしてない。
それに、そのおかげで涼に会えたんだ」
「っ…そうね」
少し俯いて美紗さんは涙を拭った。
「さぁ!みんなで楽しみましょう!」
ニコニコしながら袋の中身を出す。
あたしは芳斗に近づいて、小さな声で言った。
「いいお母さんだね」
「…あぁ」
美紗さんを見る芳斗の目はとても穏やかで、あたしも嬉しくなった。
「やっぱり涼のおかげだよね〜」
「え、何が?」
涼の背中に呟くと、振り返った。
その両手には、フライドチキン。
「…いや、口拭きましょうよ」
「お肉大好きッ☆」
涼は肉食だ…と思った瞬間でした。
お皿におかずやら何やらを盛って、あたしの隣に座る。