ぼくらのうた



 駅前の広場を横切る。

 花壇の花が少し咲いてる。

 もう、春になるんだなぁ…。

 あたしももう少しで2年かぁ。


「ねーねー、そこの制服の子ー」

「…?」


 振り返ると…チャッラ〜い男がいた。

 明るすぎる金色の髪にダボダボした格好。

 思わず睨み付ける。


「学校行かないのー?
 ヒマならさ、俺と遊ぼうよ☆」

「はっ?遊ばないし」

「遊ぼうよ〜ヒマそうだし!」

「ヒマじゃないし!」


 頭を掻いた。

 あっ…爪切んの忘れてた。

 全然掻いてなかったからなぁ…。


「マジムリだから!」


 その言葉に反応して、男の顔が変わっていく。

 やば…い?


「可愛いからって調子乗んなよ?」

「はっ?!」


 可愛くないし!

 眼科行け!


「って、ちょっと…ッ!」


 手首を掴まれて引っ張られていく。

 力、強い…っ。



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