ぼくらのうた
―忘れちゃいけない人
久しぶりに会った秦ちゃんは、あのときから変わってなかった。
もう1人のお兄ちゃんみたいな秦ちゃん。
…いや、なんか前よりカッコよくなった??
あたしの周りみんな美形で悲しいよ…。
「藍架?何かあんなら言えよ?」
「ん…うん、ありがと」
昔みたいに頭を撫でてくれる。
それが心地いい。
けど…秦ちゃんには言えないんだ。
だって秦ちゃんはあたしが悪いって思ってないから…。
「あたし、学校行ってくるね!」
「は?」
「秦ちゃんと喋ってたら具合悪いの治ったから!」
元からそんなに悪くないしっ。
てゆぅか、1人でいたくない…
「そっか…んじゃこれ俺の番号。
何でもいいから言えよ?」
「うん!」
秦ちゃんと別れてすぐに駅に行く。
お弁当はみんなで食べよ…。