ぼくらのうた
にっこり笑う。
それに対して、相変わらず仏頂面なリーダー。
「あ…っそ」
「俺は賛成だけど〜2人は?」
「OKって。でも本人がな〜」
「…大丈夫。引き込むから☆」
脳裏にあの子の姿を写し出した。
泣き顔、むくれた顔、笑顔、呆れ顔。
あの子が入ったら、もっと楽しくなる。
「はぁ〜ほんっと…演技上手いよな、春樹」
「本心隠すのが上手いって言えよ」
「あ〜〜どうしよ…!!」
お気に入りの枕を抱きしめながら部屋の天井を見上げる。
どうしたらいいのかわかんない…。
「どうすればいいのかなぁ…?
ナオ…」
棚に飾られている1つのテディベアを見つめる。
もう古ぼけてしまっている、少し大きなテディベア。
でも、大きな黒い目が意思を持っている気がする。
何度繰り返したかわからないけれど、もう一度 あの言葉を思い出す。