ぼくらのうた
2人でお母さんを待った。
寂しいときも悲しいときも、嬉しいときも…この家にはたくさんの思い出がある。
なおにぃが生きてきた証なのにっ!
「藍架…もう、いいのよ」
「いいって何が?!」
忘れちゃいけない。
あなたを、忘れてはいけない。
他の誰かが忘れたとしても、あたしだけは覚えてなきゃいけない。
あたしだけは…!!
「藍架!!!!…もう、いいの。
直樹が死んだのは藍架のせいじゃない。
もう忘れ…」
「忘れない!!忘れたい、けど、忘れちゃいけないんだよ!!
だって…だってあたしがッ」
〜…言葉が続かない。
あたしは逃げるように2階へ行った。
「藍架ッ!」
勢いよくドアを閉める。
視界に入るナオ。
「…ナオ、どうしよう…ッ」
焦りや苦しさが襲ってくる。