ぼくらのうた



「…ぇ、…ッ」

「なんで…ッ」

「春樹が…?!」「藍架が…?!」


 見間違えるはずない。

 春樹が…いる。


「あら、知り合いだったの?」

「なら話は早いな」


 いやいやいや…え?!


「春樹と…家族、に…?」





 春樹のお父さん――そしてあたしのお父さんになった宏樹(コウキ)さんは、すごくいい人。

 お母さんも幸せそう。

 でも…あたしは気まずいんだよー!!!!

 だって…あの日からずっと避けてたし、光のことだって避けてるのに、もういっぱいいっぱいだよ!!


「…ぃか、藍架!」

「っへ?!…何っ?」


 お母さんのドアップに気が付いて、顔を遠ざける。

 さすがに親のドアップはキツい…。


「ちゃんと話聞いてる?」

「…ごめん」


 ごめん、お母さん…ごめんなさい。



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