ぼくらのうた



 そう言って、近所の公園に入った。

 話って何?

 もしかしてさっきのこと聞かれるのかな?

 正直に言ったほうがいいよね?

 夕焼け空を見上げてから、ベンチに座った。


「…いい加減話さなきゃなって思ってた」

「え??」


 何のこと…?

 さっきのことや、マナたちのことじゃないの?


「うちの事情…みたいな」


 ―ドクン…ッ

 もしかして…春樹たちも何か、あるの…?


「うちは…つか、母さんが教育ママでさ。
 私立の小学校入れられて、帰って来てからも勉強したりで…父さんは正反対で。
 毎日毎日、喧嘩してた」


 そう言う春樹の顔が切なくって、手を握った。

 少し体を揺らしたあと、手が握り返された。


「それで…離婚したんだ。
 俺は悲しかったけど、父さんが俺の為だって。
 俺の親権は父さんだった」



< 250 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop