ぼくらのうた

―ヒマワリ




「藍架〜こっちこっち!」

「ごめーん!」


 走って涼たちのところに行く。

 今日は、梅雨なのに快晴!


「遅れてごめん!」

「ほんとだよ!
 呼び出したくせに遅れんな!」

「だからごめんって言ったじゃん!」

「心籠ってねぇんだよ!」


 その言葉に、一瞬止まった。

 …心、籠るわけない。

 これからなおにぃのところに行くんだもん…。


「まぁまぁ!
 でも、こんなとこで何するの??」


 そう、ここは人が少ない田舎のほう。

 ここに、なおにぃが…いる。


「…お兄ちゃんが、ここにいるの」

「へぇ〜!藍架のお兄ちゃんって、初めて聞いたぁ!」

「うん…」


 あたしの腕には不釣り合いなヒマワリ。

 なおにぃ、ヒマワリ好きだよね?

 今も好き…??


「こっち、だよ」



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