ぼくらのうた



 でも、でもやっぱり――…!

 あたしがなおにぃを殺したなんて、言えない…っ!


「あぁ、やっぱり…。
 こんなところで会えるなんて」

「――ッ?!」


 うそ…なんで、アイツが――!?

 なんで、ここに――…!


「なん、で…っ」

「藍架…?」


 一点を見つめて動かないあたし。

 それを見た光が、アイツを見る。


「ぃや…!何でアンタが!?
 やだ、どっか行って!!
 もう2度と顔見せないで!!!!」

「藍架!!!!」


 ―パンッ

 乾いた音が空に響いた。


「ひか…る…?」


 光があたしを、叩いた。


「何があったかは知らねぇけどな、ンなこと言うもんじゃねぇよ」


 何さ…光はアイツのこと知らないから、

 熱を持った左頬を押さえて、涙を我慢した。



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