ぼくらのうた

―罪の鎖




 血溜まりに倒れている愛しい人。

 うそ…でしょ、頭…ついていかないよ。


「お兄、ちゃ…!
 死なないでぇ…っ!」

「…ふん…っ、バカ…」


 良かった、まだ意識ある…!!

 震える指で救急車を呼ぼうとするけど、上手くいかない。


「バカでも何でもいいから!
 置いていかないで…ッッ!」

「兄ちゃんが死ぬわけねぇーだろーが!」

「!?」


 笑いながら起き上がるお兄ちゃん。

 え…傷は…??

 結構血出てるのに…。

 刺されたところから出てきたのは、あたしがあげたお守り。

 それが、盾になったんだ…。


「良かったぁ…っ!」


 力が抜けて、地面に座り込んだ。

 死んじゃうかと思った…。


「藍架のおかげだな!」

「ふぇ…っ」


 安心感からなのか、涙が零れる。



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