ぼくらのうた

―気付かされた気持ち




 あのライブの日から数日。

 まあまあ順調な日々。

 そしてまた、この季節がやってきた。

 あたしがThe wingに入って、もう1年が経っていた…。


「はぁ〜暑くなってきたねぇ…」

「涼、ダラけすぎ…」


 椅子に座る涼は今にも溶けそう。

 心なしかツインテールも下のほうだし…。


「涼、暑いの苦手なんだよね〜。
 う〜とーけーるぅぅぅ…」

「いや、人間は溶けないけど…」

「溶けそうだもん!
 藍架は涼が溶けちゃってもいいの?!」

「いや…えと、」


 本気で泣きかけるからタチが悪いっ!!

 涼相手だとあんまり強く言えないし…。


「おーい、買ってきたぞー」


 ガラッとドアがスライドして、男子3人が現れる。

 毎日交代で買い物に行くのが決まりなんだってさ。



< 303 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop