ぼくらのうた




 ンでそこで、出会っちまったんだ。

 今はもう衰退してしまってきている、ベラルーシ語を話す女とな。

 それが…俺の、母さんだ。

 最初は聞き慣れない言語に惹かれただけらしい。

 まぁ…一応、美人だったけどな。

 んでいろいろ知っていく内に、お互い惹かれ合ったわけだ。

 アイツは確信したらしい、

「この人以上の人はいない」

 ってさ。

 んでホメリ…ゴメリ…を出たことのない母さんを連れ出して、日本に帰ったんだ。

 うちは一応、代々伝わる小坂家だ。

 外人の血を入れるなんて許されなかった。

 けどその反対を押しきって、2人は結婚した。

 そして俺が生まれた。

 それから数年経ってから、バカの母親が海外から帰ってきた。

 そりゃあ驚いたさ、1人息子が勝手に結婚してたんだ。

 しかも相手は外人で、ガキまで作ってやがる。

 んでソイツは思ったのさ。

 自分の息子をたぶらかした女を、許さないってな――…





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