ぼくらのうた
確かにあたしも、みんなも…光に救われた。
音楽と出会って、世界が変わった。
今、伝えなきゃ。
ずっと言えなかった、あの言葉を…。
「光…ありがと、ね」
「は?何が?」
怪訝そうな光の顔。
いい意味で自分のしたことに気が付いてないんだよね。
「あたしね…The wingに入れて、良かった。
本当の仲間も出来て…過去と向き合うことが、出来た」
真っ直ぐ光の目を見る。
その茶色の目は、お母さん譲りなのかもしれない。
でもね…どんな色でも、“あなた”で“光”だから。
「だから…ありがとう。
音楽始めて、良かった!」
「…そうか、なら俺も誘って良かったよ」
ふわりと微笑む光。
胸の奥で高鳴る心臓。