ぼくらのうた



「久しぶり!
 もう走って大丈夫なの?」

「先生が大丈夫ってゆってたから大丈夫!」

「そっか…よかったぁ…」


 元気そうに笑うまおちゃん。

 ほんとに…元気になって、良かった。

 滲んでくる涙をバレないように拭った。

 本当におめでとう…まおちゃん。


「まお、犬見に行くんだろ?」

「あ、そうだった!
 じゃあまたね、藍架お姉ちゃん、春樹お兄ちゃん!」

「おう、またな!」

「またね、まおちゃん」


 何回も振り返って、何回も手を振る姿が可愛くって、あたしたちも何回も手を振った。

 お兄さんの目はとても優しくって、少し…羨ましくなった。

 今まで苦労してきた分…まおちゃんはきっと、幸せになれる。

 そうだよね…なおにぃ。



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