ぼくらのうた



「俺らも行くか?」

「うんっ」


 それから何をプレゼントするか決めて、紳士服コーナーに来た。

 お父さんはカッコいいから何でも似合うんだよね。

 よく着るってことで、あたしがネクタイ、春樹がYシャツを買うことになった。

 悩みまくって、やっと気に入る物を見つけてレジへ向かう。


「…あれ?」

「ん?」


 大勢の人が歩くなか、目立った3人を見つけた。

 2人は黒髪で、1人は明るい茶髪。


「涼、と…千夏瑠依?」

「仲直りしたのかな」

「元から喧嘩してたわけじゃねぇからな〜」


 千夏は少し仏頂面だけど涼と瑠依は笑ってる。

 3人でショッピングかな?

 涼…すごく幸せそう。

 良かったね…涼。

 今日って、すごいいい日なのかもしれない。

 だって、こんなに幸せそうな人がたくさん見れるんだもん。


「…兄弟は、仲良いのが1番だって」


 春樹の手を握る。

 いくら苗字が違っても…この人は、あたしの兄なんだ。

 その気持ちが伝わったのか、笑う春樹。


「んじゃ俺らも仲良くしますかっ」

「あははっ…うん!」






< 334 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop