ぼくらのうた
「俺らも行くか?」
「うんっ」
それから何をプレゼントするか決めて、紳士服コーナーに来た。
お父さんはカッコいいから何でも似合うんだよね。
よく着るってことで、あたしがネクタイ、春樹がYシャツを買うことになった。
悩みまくって、やっと気に入る物を見つけてレジへ向かう。
「…あれ?」
「ん?」
大勢の人が歩くなか、目立った3人を見つけた。
2人は黒髪で、1人は明るい茶髪。
「涼、と…千夏瑠依?」
「仲直りしたのかな」
「元から喧嘩してたわけじゃねぇからな〜」
千夏は少し仏頂面だけど涼と瑠依は笑ってる。
3人でショッピングかな?
涼…すごく幸せそう。
良かったね…涼。
今日って、すごいいい日なのかもしれない。
だって、こんなに幸せそうな人がたくさん見れるんだもん。
「…兄弟は、仲良いのが1番だって」
春樹の手を握る。
いくら苗字が違っても…この人は、あたしの兄なんだ。
その気持ちが伝わったのか、笑う春樹。
「んじゃ俺らも仲良くしますかっ」
「あははっ…うん!」